チャンの日常

日常の一コマ

万華鏡の話

9月18日

 万華鏡が好きで何本か持っている。筒に目を押し付けるようにして見れば、視界いっぱいに綺麗な像が広がる。

 コレクションの中には自分で作れるキットのようなものもあって、ビーズやガラス玉を好きに入れ替えられるようになっている。

 その自作キットの万華鏡をのぞくと、プラチナのシンプルな輪っかが見える。昔、私がもう着けなくなった指輪をそこへ隠した。

 数年に一度、万華鏡を目に押し付けて眺めてみる。

 綺麗な像が広がる。

 

お題「捨てられないもの」

電車とイヤホンの話

9月17日

 久しぶりに朝まで飲んだ。バーから出ると、もう日はすっかりのぼっていた。週末だったからか、帰りの電車の乗客は半分くらいが酔っ払いだった。

 斜め前の席に20代の女性が座っていた。彼女もずいぶん飲んだらしい。赤い顔をして目を閉じていた。

 電車がゆれた拍子に何か小さいものが落ちる音がした。床を見てみるとワイヤレスイヤホンの片方だった。先ほどの女性の耳から落ちたようだ。私はそれを拾って彼女の顔の方へ差し出した。

「お姉さん、イヤホン落ちましたよ」

 彼女はほんの少しだけ目を開けた。そしておもむろに口を開けて少し舌をだし、そのまま差し出したイヤホンを口に含んだ。

柳沢慎吾の話

9月9日

 自転車にまたがった柳沢慎吾のフィギュアを6台集めるとドアが開くらしい。

 私は柳沢慎吾の名前を、柳葉敏郎と間違えて呼んでいて、間違えるたびに学校のクラスメイトが「ちがうよ!柳沢慎吾!」と教えてくれる。

 

 フィギュアを6台集めた私は夢から覚めた。

 外でパトカーが通った。ウーウー

100円玉を数える話

9月5日

 夢の中で100均に行った。紆余曲折あって急遽ホテルに泊まることになり、日用品を買いに来たのだ。

 7点買って、なぜか900円だった。私は小銭で払おうと100円玉を数える。

 でも何度試しても100円玉を9枚数えられなかった。数えている途中で今何枚かわからなくなったり、50円玉が混じっていたり、落としたりもした。

 100円玉1枚数えるのに0.5秒かかるとすれば、私は寝ている時、記憶が5秒も持たないのかもしれない。

 

 何かしなければいけないけど面倒臭くて動き出せない時、例えば風呂に入るのが面倒臭い時などに、数を数えればいいと聞いたことがある。

 何も考えずに数を6つ数えてからエイヤッと動き出せば脳が切り替わり、風呂が面倒臭くて嫌だという気持ちを忘れて脱衣所へ向かうことができるそうだ。

 私もそんな時は今度から数を数えよう。でも数字じゃなくて100円玉だ。9枚数えられなかったら、そこはもう夢の中。風呂は諦めよう。

腹巻に目覚める話

8月28日

 5月頃、新聞に今年はエルニーニョ現象になると書いていた。エルニーニョ現象だと日本は冷夏になるらしい。

 6月頃、新聞に今年はスーパーエルニーニョ現象になると書いていた。スーパーエルニーニョ現象だと一周回って日本は猛暑になるらしい。話が違う。

 予報通り、暑い日が続いている。

 私は暑がりの汗っかきで、エアコンはいつも26℃に設定している。26.5℃にすると汗が出始め、27℃にすると部屋着のタンクトップは汗に染まる。

 ところで先日、風呂上りに腹を壊した。変なものを食べた覚えはない。

 トイレに座り、痛む腹に手を当てると温かくて気持ちいい。痛みが引いていく。

 これって腹が冷えていたのか。風呂上りでダラダラと汗をかいているのに。年も34になり、最近膝が怪しいと思っていたが、腹まで冷えるのか。

 その日の深夜、寝る前にベッドの中で考えていた。最近、やたら温かい飲み物が美味しい。外暑い中歩いて汗だくになり、涼むためにカフェに入ってホットコーヒーを頼む。家では温かいお茶やお湯を飲んでいる。これも腹が冷えているからかもしれない。

 腹を温めなければいけない。とりあえずタンクトップの裾をズボンにINした。

 もっと、もっと温めたい。そうだ、腹巻をまけばいいのではないか。

 夜中に考え事をすると、たいていAmazonYouTubeに救いを求める結果となる。思いついて5分後にはグンゼの薄手腹巻を購入していた。翌日の午後には届く。

 それから数日たった。

 私は無敵である。もう怖いものは何もない。多分エアコンの設定を20℃にしても生きていける。それほど腹巻は快適だった。涼しいのに温かい。

 最初、腹巻は素肌に装着してその上から部屋着を着ていた。そうすれば宅配が来ても腹巻をしていることはばれないからだ。しかし動くたびに腹巻が滑り、だんだんと着崩れてしまう。

 今私は部屋着の上から腹巻をしている。布同士しっかり摩擦が起こってまったく崩れないのだ。この日記を書いている現在、私は寅さんか、あるいはバカボンのパパなのだ。

 

 

乳液で洗顔する話

8月27日

 Youtube が好きで良く見ている。その中に、美容系youtuberの かずのすけ さんがいる。彼はアトピー肌や敏感肌に特化した美容法を発信していて人気がある。私も敏感肌なのでとても勉強になっている。

 この間も彼の動画を見ていて、面白いクレンジング方法を知った。ベビーオイルでクレンジングをし、乳液で乳化して汚れとオイルを落とすという。なるほど、乳液中の油分と界面活性剤で乳化するのか。

 早速手持ちのホホバオイルと乳液で試してみた。たしかにクレンジングオイルを使うより乾燥しない。それでも多少の乾燥は感じて、毎日の使用はつらい。もしかしたらベビーオイルじゃないとダメなのかな。とりあえず汚れがひどい時に使おう。

 しかし保湿剤である乳液を乳化剤として使用する発想には驚いた。考えた人は頭が柔らかいのだな。

 私も乳液を何かに使えないかと考えた。思いついたのは乳液を洗顔料として使えないかという事だ。乳化剤として機能するなら皮脂も落ちるはずだ。

 いつもの洗顔料を使いたくない時がある。肌が乾燥していたり、単純に面倒くさい時だ。かといって水だけでは物足りない。そんな時に、乳液で洗顔すれば適度に汚れが落ちて肌が乾燥しないのではないか。

 早速試してみた。安価な乳液を顔にたっぷりと塗り、毛穴が気になるところをくるくる撫でた後に水で流した。

 とても良い。皮脂は落ち、毛穴は保湿成分で柔らかくなった。乾燥についてはむしろ洗う前よりうるおっている。

 これは大発明だ。乳液で洗顔する。乳液洗顔と呼ぼう。

 まだ誰も知らないのではないか。みんなに教えたい。そして自慢したい。その一心でGoogleで検索した。「乳液洗顔」検索。めちゃくちゃヒットした。みんなもう知ってた。